咳が悪化しており論文の執筆に身が入らない。何が原因なんだ!何が船を動かすんだ!などと悶々としていると、後輩から連絡が入り、そういえば明日の卒業式で卒業生に送る花を買っていないです、とのこと。慌ただしさからすっかり忘れていた。歓楽街に住んでいるので、遅くまでやっている花屋は歩けばいくつも見つかるが、なんだかなと思い、少し離れた場所にある、前から気になっていた花屋へ散歩がてら買いに行くことにした。予算は一つあたり2〜3,000円ぐらいで、4人分をいい感じに、とお願いすると、異なるパターンの花束を4つ作ってくれて、これはビタミン系、これは情熱系、などと一つ一つテーマを設定してくれた。ビタミン系は黄色が多く、CCレモンってコト…?と思うなど。店内の花を眺めながらラッピングを待つ。途切れず来客があり、恋人に贈る花束を買う人、彼氏が花瓶と一緒に花束くれたらアガるね、と会話する若者などを横目に、花屋はハッピーな場所だなと思った。たまに自分のために花を買うのもいいかもしれない。ところで花粉症の人は花屋に行っても大丈夫なのだろうか、なんてことを考えているうちに花束が完成して、両手にわんさか抱えて帰宅。明日までなるべく新鮮さを保つために、教えてもらった通り、水を入れたコップに挿した。一晩だけいい感じの台所が完成した。
